2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ピリピ人への手紙2章6節について その11

岩波翻訳委員会訳1995のフィリピ人への手紙2章2節から5節まで、の文脈から、6節では、イエスの「謙虚な思い」について書かれているのではないか、と思われます。 そのイエスの「謙虚な思い」を表すものとして、「神と等しい」ことを『強奪と思わなかった…

ピリピ人への手紙2章6節について その10

フィリピ人への手紙2章6節では、「神と等しい」ことを「強奪と『思ったか思わなかったか』」が話題になっている、と言うことができると思います。 「神と等しい」ことを「強奪と『思ったか思わなかったか』」について考える場合、参考になるのが、岩波翻訳…

ピリピ人への手紙2章6節について その9

『新改訳聖書』第3版のヨハネの福音書14章7節から9節まで(その4前半)の記述から、イエスは、ご自分が「神と等しい」ということはご存じであった、と考えられます。 しかし、ご自分から、わたしは「神と等しい」、と言われることはなかったと思われま…

ピリピ人への手紙2章6節について その8

岩波翻訳委員会訳1995のフィリピ人への手紙2章5節(その7冒頭)の「このこと」というのは、2章3節と4節に書かれていること、あるいは、2章2節2行目から4節までに書かれていること、と言うことができると思います。 その2章3節と4節(いずれも、…

ピリピ人への手紙2章6節について その7

岩波翻訳委員会訳1995のフィリピ人への手紙2章5節に、次のように書かれています。***500205このことを、すなわちキリスト・イエスにおいても〔妥当すること〕を、あなたがたのうちにあって思い抱きなさい。*** 1行目から、「このことを、すなわちキ…

ピリピ人への手紙2章6節について その6

岩波翻訳委員会訳1995のフィリピ人への手紙2章3節と4節に、次のように書かれています。***500203なにごとをも党派心によってではなく、虚栄心によってでもなく、むしろ謙虚な思いによって互いを自分よりも優れた者と考え、500204おのおのが自分自身の…

ピリピ人への手紙2章6節について その5

『新改訳聖書』第3版のヨハネの福音書17章3節に、次のように書かれています。***3節その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。*** 1行目から、「・・・『唯一のまこと…

ピリピ人への手紙2章6節について その4

「その1」第4段落の引用文の中に、フィリピ人への手紙2章6節のギリシャ語があります。 次のようになっています。 ***ὃς(ホス) ἐν(エン) μορφῇ(モルフェーィ) θεοῦ(テウー) ὑπάρχων(ヒュパルコーン) οὐχ(ウ―ク) ἁρπαγμὸν(ハルパグモン) …

ピリピ人への手紙2章6節について その3

直訳で内容が分からない場合、『解釈』を試みることになります。 ここでは、(1)の「神と等しいことを強奪と思わなかった」(その2、前半)、という直訳で『解釈』を試みます。 まず、岩波翻訳委員会訳1995のフィリピ人への手紙2章6節は、次のようにな…

ピリピ人への手紙2章6節について その2

「その1」の最後の方で、「οὐχ(ウ―ク) ἁρπαγμὸν(ハルパグモン) ἡγήσατο(ヘゲッサト) τὸ(ト) εἶναι(エイ―ナイ) ἴσα(イサ) θεῷ(テオーィ)」のわたしの直訳を示しました。 ここで、もう一度示します。 ***(1)神と等しいことを強奪と思わな…