ピリピ人への手紙2章6節について その2

「その1」の最後の方で、「οὐχ(ウ―ク) ἁρπαγμὸν(ハルパグモン) ἡγήσατο(ヘゲッサト) τὸ(ト) εἶναι(エイ―ナイ) ἴσα(イサ) θεῷ(テオーィ)」のわたしの直訳を示しました。

 

ここで、もう一度示します。

 

***
(1)神と等しいことを強奪と思わなかった
***
または、
***
(2)神と等しいことを奪取と思わなかった
***

 

これら二つの訳が、「辞典の言葉」を用いた訳になります。

 

これらは直訳と言ってよいと思います。

 

上のギリシャ語を3個に分解して説明いたします。

 

①「τὸ(ト) εἶναι(エイ―ナイ) ἴσα(イサ) θεῷ(テオーィ)」の部分が、「神と等しいことを」に当たります。

 

また、

 

②「ἁρπαγμὸν(ハルパグモン)」の部分が、「強奪と」または「奪取と」に当たります。

 

また、

 

③「οὐχ(ウ―ク)・・・ἡγήσατο(ヘゲッサト)」の部分が、「思わなかった」に当たります。

 

「οὐχ(ウ―ク)」は「否定」の語です。

 

したがって、「ἡγήσατο(ヘゲッサト)」は「思った」というような肯定の意味になります。時制または時称は、過去です。

 

上記の(1)と(2)ような直訳で内容がすぐ分かればよいのですが、すぐに分からない場合があります。

 

フィリピ人への手紙2章6節は、その、すぐに分からない場合である、と言うことができると思います。

 

(1)で言うと、「神と等しいことを強奪と思わなかった」、というのはどういうことだろうか、となります。

 

すぐには分からないと思います。

 

わたしはすぐに分かりませんでした。

 

直訳で内容が分からない場合、『解釈』を試みることになります。

 

その3、に続きます。