「四百三十年」について その2

新改訳聖書』第3版の出エジプト記12章40節の「イスラエル人」は、BHS(ビブリア・ヘブライカ・シュツットガルテンシア)では、直訳すると、「イスラエルの子ら」というようになります。

 

出エジプト記12章40節のように、「イスラエル人が『エジプトに』滞在していた期間は四百三十年であった」と考え、また、「・・・先に神によって結ばれた契約・・・」(ガラ3:17)というのを「アブラハムと結ばれた契約」のことと考えると、つじつまが合いません。

 

なぜなら、「イスラエル人が『エジプトに』滞在していた期間」は、「先に神によって結ばれた契約(アブラハムとの契約とした場合)」から「律法」ができるまでの期間よりは、明らかに、「短い」からです。

 

そこで、『七十人訳聖書』(以下、七十人訳、とします)の記述が、重要な意味を持つようになります。七十人訳では、『エジプトに』ではなく、『エジプトの地に、そして、カナンの地に』(以下、エジプトとカナンの地に、とします)と書かれているのです。

 

イスラエルの子ら」が、七十人訳の記述にあるように、『エジプトとカナンの地に』住んで、その期間が「四百三十年」であった、と考えると、その「四百三十年」は、ガラテヤ人への手紙3章17節で言われている「四百三十年」に近いものになります。

 

しかし、ガラテヤ人への手紙3章17節の「・・・先に神によって結ばれた契約・・・」を「アブラハムと結ばれた契約」と考えると、まだ、『誤差』があります。

 

イスラエルの子ら」というのは、アブラハムの子であるイサク、そしてイサクの子であるヤコブの子らです。「アブラハムと結ばれた契約」のときからすると、だいぶ年月が経っています。

 

「その3」では、その『誤差』をどう考えたらよいのか、について述べます。

 

その3、に続きます。