「よみ」について その13

新改訳聖書』第3版のイザヤ書14章9節(その12冒頭)に、「下界の*よみ(シェオル)は、あなたの来るのを迎えようとざわめき、死者の霊たち、地のすべての指導者たちを揺り起こし、国々のすべての王を、その王座から立ち上がらせる。」とあります。

 

この9節の記述から、「よみ(シェオル)」には、「死者の霊たち、地のすべての指導者たち」、および「国々のすべての王」がいる、ということが言えると思います。

 

9節に書かれていることは、「下界の*よみ(シェオル)」では、「死者の霊たち、地のすべての指導者たち」、および「国々のすべての王」が「あなた(すなわち、バビロンの王)の来るのを迎えようとざわめ」く、ということだと思います。

 

そして、「下界の*よみ(シェオル)」で、「死者の霊たち、地のすべての指導者たち」は「揺り起こ」(9節)され、また「国々のすべての王」は「その王座から立ち上が」(同)る、ということだと思います。

 

14章11節(その12冒頭)に、「あなたの誇り・・・は*よみ(シェオル)に落とされ・・・る」、とあります。

 

この言葉から、「あなた」すなわち「バビロンの王」は、『誇る者』(イザヤ2:12、その11前半)になったと考えられます。

 

バビロンの王は、「憤って、国々の民を打ち、絶え間なく打ち、怒って、国々を容赦なくしいたげて支配した」(イザヤ14:6、その12冒頭)ので、『誇る者』になったと考えられます。

 

14章10節(その12冒頭)に、「彼らはみな、あなたに告げて言う。『あなたもまた、私たちのように弱くされ、私たちに似た者になってしまった。』」とあります。

 

「彼ら」というのは、「死者の霊たち、地のすべての指導者たち」(イザヤ14:9、その12冒頭)、および「国々のすべての王」(同)のこと、と言うことができます。

 

「あなた」というのは、「バビロンの王」のことです。

 

「バビロンの王」は『誇る者』(イザヤ2:12、その11前半)になったので、言い換えると、『おごり高ぶる者』(同)になったので、『低くされ』(イザヤ2:11、その11前半)、また、「私たちのように弱くされ、私たちに似た者になってしまった」(イザヤ14:10、その12冒頭)、ということではないでしょうか。

 

14章11節(その12冒頭)に、「・・・あなたの琴の音は*よみ(シェオル)に落とされ、あなたの下には、うじが敷かれ、虫けらが、あなたのおおいとなる。」とあります。

 

「琴の音は*よみ(シェオル)に落とされ・・・る」は、「その騒音も・・・よみに落ち込む」(イザヤ5:14、その10冒頭)に似ています。

 

また、「あなたの下には、うじが敷かれ、虫けらが、あなたのおおいとなる」という言葉から、「よみ(シェオル)」には、「うじ」がおり、「虫けら」がいる、ということが分かります。

 

イザヤ書14章3節から11節までの引用(その12冒頭)から、「よみ(シェオル)」には、「死者の霊たち、地のすべての指導者たち」、および、「バビロンの王」を含む「国々のすべての王」がいるようになるということ、また、「よみ(シェオル)」には「うじ」や「虫けら」がいる、ということが言えると思います。

 

そして、「しいたげる者」(イザヤ14:4、その12冒頭)や「横暴」(同)な者のような者、「憤って、国々の民を打ち、絶え間なく打ち、怒って、国々を容赦なくしいたげて支配」するような者が、「よみ(シェオル)に落とされ・・・る」(イザヤ14:11、その12冒頭)、と言うことができると思います。

 

いかがでしょうか。