「よみ」について その15

新改訳聖書』第3版の詩篇9篇17節に、次のように書かれています。
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17節
悪者どもは、*よみに帰って行(い)く。
神を忘れたあらゆる国々も。

 

* →六・五*

 

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1行目に、「悪者どもは、*よみに帰って行(い)く。」とあります。

 

この言葉から、「悪者」は「よみ(シェオル)」に行(い)く、ということが分かります。

 

ヨブ記24章19節に、次のように書かれています。
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19節
  ひでりと暑さは雪の水を奪い、
  *よみは罪を犯した者を奪う。

 

* ヘ「シェオル」

 

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2行目に、「*よみ(シェオル)は罪を犯した者を奪う。」とあります。

 

つまり、「罪を犯した者」は「*よみ(シェオル)」に行(ゆ)く、ということだと思います。

 

民数記16章31節から33節までに、次のように書かれています。
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31節
モーセがこれらのことばをみな言い終わるや、彼らの下の地面が割れた。
32節
地はその口をあけて、彼らとその家族、またコラに属するすべての者と、すべての持ち物とをのみこんだ。
33節
彼らとすべて彼らに属する者は、生きながら、よみに下り、地は彼らを包んでしまい、彼らは集会の中から滅び去った。
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33節に、「彼らとすべて彼らに属する者は、生きながら、よみに下り、地は彼らを包んでしまい、彼らは集会の中から滅び去った。」とあります。

 

「彼ら」というのは、16章27節の、「・・・コラとダタンとアビラム・・・」のこと、と言うことができると思います。

 

「彼ら」については、同章25節から27節までに、次のように書かれています。
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25節
モーセは立ち上がり、イスラエルの長老たちを従えて、ダタンとアビラムのところへ行(い)き、
26節
そして会衆に告げて言った。「さあ、この悪者どもの天幕から離れ、彼らのものには何にもさわるな。彼らのすべての罪のために、あなたがたは滅ぼし尽くされるといけないから。」
27節
それでみなは、コラとダタンとアビラムの住まいの付近から離れ去った。ダタンとアビラムは、その妻子、幼子(おさなご)たちといっしょに出て来て、自分たちの天幕の入口に立った。
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26節1行目に、「・・・この悪者ども・・・」とあり、同節2行目から、「・・・彼らのすべての罪のために・・・」とあります。

 

「よみに下」(33節)るのは、「悪者」(詩篇9:17、上記冒頭)であり、「罪を犯した者」(ヨブ24:19、上記)である、と言うことができると思います。

 

「悪者」については、イザヤ書14章5節(その12冒頭、2022-09-08)にも書かれています。

 

イザヤ書14章5節は、次のようになっています。
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5節
  が悪者の杖と、支配者の笏とを折られたのだ。
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14章4節の記述から、バビロンの王は「しいたげる者」である、と言うことができると思います。

 

そして、「しいたげる者」が「果てた」(4節)のは、「が悪者の杖と、支配者の笏とを折られた」(5節)から、という文脈になると考えられます。

 

そのような文脈からすると、「が悪者の杖と、支配者の笏とを折られた」ので、「しいたげる者」であるバビロンの王は「果てた」、ということになります。

 

そうすると、「バビロンの王」(イザヤ14:3、その12冒頭)は「悪者」である、と言うことができると思います。

 

「下界の*よみ(シェオル)は、あなたの来るのを迎えようとざわめき」(イザヤ14:9、その12冒頭)の「あなた」は、「バビロンの王」を指していると言うことができます。

 

「バビロンの王」は「悪者」であると考えられるので、「下界の*よみ(シェオル)」は、「悪者」である「バビロンの王」を迎える、ということになります。

 

このことからも、よみ(シェオル)に行(ゆ)くのは「悪者」である、と言うことができると思います。