「穴」について その1

新改訳聖書』第3版のエゼキエル書32章21節から23節までに、次のように書かれています。
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21節
勇敢な勇士たちは、その国を助けた者たちとともに、よみの中から語りかける。『降りて来て、剣で刺し殺された者、割礼を受けていない者たちとともに横たわれ』と。
22節
その墓の回りには、アッシリヤとその全集団がいる。みな、刺し殺された者、剣に倒れた者たちである。
23節
彼らの墓は穴の奥のほうにあり、その集団はその墓の回りにいる。彼らはみな、刺し殺された者、剣に倒れた者、かつて生ける者の地で恐怖を巻き起こした者たちである。
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23節1行目から、「彼らの墓は穴の奥のほうにあ・・・る。・・・」とあります。

 

「彼ら」というのは、


① 「勇敢な勇士たち」
② 「勇敢な勇士たち」と「その国を助けた者たち」
③ 「勇敢な勇士たち」と「その国を助けた者たち」と「剣で刺し殺された者、割礼を受けていない者たち」


の、主に、3通りが考えられると思います。

 

②と③の「その国」というのは、「エジプト」(32章18節)のこと、と言うことができると思います。

 

23節に続けて、24節と25節に、次のように書かれています。
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24節
そこには、エラムがおり、そのすべての群集もその墓の回りにいる。彼らはみな、刺し殺された者、剣に倒れた者、割礼を受けないで地下の国に下った者、生ける者の地で恐怖を巻き起こした者たちである。それで彼らは穴に下る者たちとともに自分たちの恥を負っている。
25節
その寝床は刺し殺された者たちの間に置かれ、そのすべての群集も、その墓の回りにいる。みな、割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者である。彼らの恐怖が生ける者の地にあったからである。それで彼らは穴に下る者たちとともに自分たちの恥を負っている。彼らは刺し殺された者たちの間に置かれた。
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25節2行目から、「・・・割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者・・・」とあります。この者たちは、「そのすべての群集」(25節1行目から)であり、「その」というのは、エラム」(24節1行目)の、のことと考えられます。

 

25節1行目から、「・・・そのすべての群集も、その墓の回りにいる。・・・」とあります。つまり、「割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者(=そのすべての群集)」たちは、「その墓の回りにいる」、ということです。

 

21節2行目から、「・・・剣で刺し殺された者、割礼を受けていない者たち・・・」とあります。この21節の「者たち」は、25節2行目からの「割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者」たちではないか、と考えることはできると思います。

 

エラム」についてのことと同じことが、26節の「メシェクとトバル」についても言えると思います。メシェクとトバルの「割礼を受けていない者、剣で刺し殺された者」たちも、「その墓の回りにいる」、のです。

 

23節の「彼らの墓」には、「彼ら」が入っていると考えられます。つまり、「彼ら」は「その墓の『中』にいる」のであって、「その墓の『回り』にいる」のではない、ということです。

 

そうすると、「彼ら」が③である可能性は、小さくなると思います。『降りて来て、剣で刺し殺された者、割礼を受けていない者たちとともに横たわれ』、と言われているので、おそらく、「その墓の回り」で横たわっている者たちとともに横たわる、のではないかと思われます。

 

その2、に続きます。