「雲に乗って来る」について その1

新改訳聖書』第3版のマタイの福音書26章64節に、次のように書かれています。
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64節
エスは彼に言われた。「あなたの言うとおりです。なお、あなたがたに言っておきますが、今からのち、人の子が、力ある方の右の座に着き、天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見ることになります。」
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2行目から、「・・・人の子が、力ある方の右の座に着き、『天の雲に乗って来る』のを、あなたがたは見ることになります。」とあります。

 

「あなたがた」というのは、「大祭司」(57節等)や「律法学者、長老たち」(57節)、及び「祭司長たち」(59節)のこと、と言うことができると思います。

 

そうすると、「あなたがた」は「人の子が、・・・『天の雲に乗って来る』のを、・・・見ることになります」は、「大祭司」や「律法学者、長老たち」、及び「祭司長たち」は「人の子が、・・・『天の雲に乗って来る』のを、・・・見ることになります」、となります。

 

『力ある方』については、「右の座」について その4、をご参照ください。

 

ヨハネの黙示録1章5節から7節までに、次のように書かれています。
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5節
また、忠実な証人、死者の中から最初によみがえられた方、地上の王たちの支配者であるイエス・キリストから、恵みと平安が、あなたがたにあるように。イエス・キリストは私たちを愛して、その血によって私たちを罪から解き放ち、
6節
また、私たちを王国とし、ご自分の父である神のために祭司としてくださった方である。キリストに栄光と力とが、とこしえにあるように。アーメン。
7節
見よ、彼が、雲に乗って来られる。すべての目、ことに彼を突き刺した者たちが、彼を見る。地上の諸族はみな、彼のゆえに嘆く。しかり。アーメン。
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7節1行目に、「見よ、彼が、『雲に乗って来られる』。・・・」とあります。

 

5節3行目から6節にかけて、「(5節)・・・イエス・キリストは私たちを愛して、その血によって私たちを罪から解き放ち、(6節)また、私たちを王国とし、ご自分の父である神のために祭司としてくださった方である。・・・」とあります。

 

5節からの文脈より、7節1行目の「彼」というのは、「イエス・キリスト」のこと、と言うことができると思います。

 

「見よ、彼が、『雲に乗って来られる』。・・・」は、「見よ、イエス・キリスト』が、『雲に乗って来られる』。・・・」となります。

 

この『雲に乗って来られる』というのが、マタイの福音書26章64節(上記冒頭)の、「天の『雲に乗って来る』」のことだとすると、7節1行目の「彼」は「人の子」(マタイ26:64、上記冒頭)に当たる、と言うことができます。

 

そして、この場合の「人の子」というのは、ヨハネの黙示録章7節(上記)1行目の「彼」が、「イエス・キリスト」を指すと考えられることとの関連から、また、「力ある方の右の座に着き」(マタイ26:64、上記冒頭)という言葉からも、『イエス』のことである、と考えられます。

 

「右の座」について その5、をご参照ください。終わりのほうで、『人の子』について述べています。

 

その2、に続きます。