「人の子」について その5

新改訳聖書』第3版のマタイの福音書17章22節と23節に、次のように書かれています。
***
22節
彼らがガリラヤに集まっていたとき、イエスは彼らに言われた。「人の子は、いまに人々の手に渡されます。
23節
そして彼らに殺されるが、三日目によみがえります。」すると、彼らは非常に悲しんだ。
***

 

22節1行目の、二つの「彼ら」というのは、17章19節の「・・・弟子たち・・・」のこと、と言うことができます。

 

23節1行目の「彼ら」というのは、「人の子は・・・彼らに殺される」(22節から23節にかけて)とあることから、「人の子」を殺す者たちのことです。

 

「人の子」を殺す者たちというのは、誰のことでしょうか。

 

マタイの福音書16章20節と21節に、次のように書かれています。
***
20節
そのとき、イエスは、ご自分がキリストであることをだれにも言ってはならない、と弟子たちを戒められた。
21節
その時から、イエス・キリストは、ご自分がエルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受け、殺され、そして三日目によみがえらなければならないことを弟子たちに示し始められた。
***

 

21節1行目から、「・・・イエス・キリストは、・・・殺され、そして三日目によみがえらなければならないことを弟子たちに示し始められた。」とあります。

 

「殺され、そして『三日目によみがえらなければならない』」とあります。

 

マタイの福音書17章23節(上記冒頭)1行目に、「・・・殺されるが、『三日目によみがえります』・・・」とあります。

 

この『三日目によみがえ』る、という言葉から、17章22節(上記冒頭)の、「人の子」というのは、16章21節(上記)の、「イエス・キリスト」のことである、と言うことができると思います。

 

17章22節(上記冒頭)の「人の子」が、16章21節(上記)の「イエス・キリスト」のことであるとすると、17章23節1行目の「彼ら」というのは、16章21節の「長老、祭司長、律法学者たち」に当たる、と言うことができます。

 

「『彼ら』に殺されるが、三日目によみがえります」(17章23節)とあり、「『長老、祭司長、律法学者たち』から・・・殺され、そして三日目によみがえらなければならない」(16章21節)とあり、この両者は同じことを言っていると考えられるからです。

 

このことから、『彼ら』というのは、『長老、祭司長、律法学者たち』のことであり、したがって、「人の子」を殺す者たちである『彼ら』というのは、16章21節の、『長老、祭司長、律法学者たち』のことである、と言うことができると思います。

 

以上述べたことから、マタイの福音書17章22節(上記冒頭)の『人の子』というのは、『イエス・キリスト』のことである、と言うことができると思います。

 

いかがでしょうか。