「人の子」について その3

新改訳聖書』第3版のマタイの福音書16章13節から16節までに、次のように書かれています。
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13節
さて、ピリポ・カイザリヤの地方に行(い)かれたとき、イエスは弟子たちに尋ねて言われた。「人々は人の子をだれだと言っていますか。」
14節
彼らは言った。「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」
15節
エスは彼らに言われた。「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」
16節
シモン・ペテロが答えて言った。「あなたは、生ける神の御(み)子キリストです。」
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13節で、イエスは弟子たちに、「人々は人の子をだれだと言っていますか」、と聞かれています。

 

それに対して弟子たちは、「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」と答えました。

 

弟子たちの答えは、『イエス』について、人々はだれだと言っているかに答えたものである、と言うことができると思います。

 

『イエス』以外の人について、バプテスマのヨハネであったり、エリヤであったり、エレミヤであったり、また預言者のひとりであったり、と答えたとは思えません。

 

仮に『イエス』以外の人について答えたとすると、その場合、『人の子』というのは誰のことを指すのか分かりません。

 

つまり、弟子たちは『イエス』について、「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」と答えた、ということです。

 

弟子たちは『人の子』と聞いて、それは『イエス』だと思った、と言うことができると思います。

 

15節で、「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか」、とイエスが弟子たちに言われたことからも、『人の子』というのは『イエス』のことであると考えられます。

 

エスは初め、「人々は『人の子』をだれだと言っていますか」と聞かれ、それに対して弟子たちは、「バプテスマのヨハネと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」と答えましたが、次に弟子たちに、「『わたし』をだれだと言いますか」、と聞かれています。

 

弟子たちの答えを聞かれた上で、次に弟子たちに、「『わたし』をだれだと言いますか」、と聞かれているのです。

 

つまり、イエスは初め、人々が『ご自分』を「だれだと言っていますか」と聞かれ、次に、弟子たちが『ご自分』を「だれだと言いますか」、と聞かれている、ということです。

 

マタイの福音書16章13節(上記冒頭)の『人の子』というのは、『イエス』のことであると思います。

 

いかがでしょうか。