『新改訳聖書』第3版のヨエル書2章7節から9節までに、次のように書かれています。
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7節
それは勇士のように走り、
戦士のように城壁をよじのぼる。
それぞれ自分の道を進み、進路を乱さない。
8節
互いに押し合わず、
めいめい自分の大路を進んで行(い)く。
投げ槍がふりかかっても、止まらない。
9節
それは町を襲い、城壁の上を走り、
家々によじのぼり、
盗人(ぬすびと)のように窓から入り込む。
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7節から9節までの、これらの記述からも、「彼ら」は、普通の人間ではないように思われます。
続いて、ヨエル書2章10節に、次のように書かれています。
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10節
その面前で地は震い、天は揺れる。
太陽も月も暗くなり、星もその光を失う。
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「その面前で」というのは、「彼らの面前で」、すなわち、「山々に広がる暁の光のように数多く強い民の面前で」、のことと考えられます。
2節から11節までに書かれていることが、「主の日」のことだとすると、この10節も、「主の日」のことになります。
10節2行目に、「太陽も月も暗くなり、星もその光を失う。」とあります。
マタイの福音書24章29節に、次のように書かれています。
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29節
だが、これらの日の苦難に続いてすぐに、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。
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1行目から、「・・・太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。」とあります。
これは、ヨエル書2章10節(上記)の、「その面前で地は震い、天は揺れる。太陽も月も暗くなり、星もその光を失う。」と似ています。
「天は揺れる」(ヨエル)は、「天の万象は揺り動かされます」(マタイ)と似ており、「太陽も月も暗くなり」(ヨエル)は、「太陽は暗くなり、月は光を放たず」(マタイ)と似ています。
「星」については、異なっています。
ヨエル書では、「星もその光を失う」となっているのに対して、マタイの福音書では、「星は天から落ち・・・ます」、となっています。
「星」についての記述は異なっていますが、それ以外のことについては、よく似ています。
仮にですが、マタイの福音書24章29節(上記)に書かれていることが、ヨエル書2章10節(上記)に書かれていることだとすると、マタイの福音書24章29節の記述は、「主の日」のときのことと考えられる、となります。
ヨエル書2章10節(上記)に書かれていることは、「主の日」のときのことと考えられるからです。
その17、に続きます。