『新改訳聖書』第3版のエゼキエル書7章23節に、次のように書かれています。
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23節
鎖を作れ。この国は*虐殺に満ち、この町は暴虐に満ちているからだ。
* 直訳「血のさばき」
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1行目から、「・・・この町は暴虐に満ちている・・・」とあります。
エゼキエル書7章1節と2節に、次のように書かれています。
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1節
ついで、私に次のような主のことばがあった。
2節
「人の子よ。イスラエルの地について*神である主はこう仰せられる。『もう終わりだ。この国の四隅にまで終わりが来た。
* エゼ七・二、五「神」の子音字は「主」
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エゼキエル書7章全体は、「イスラエルの地」(2節)について書かれている、と言うことができると思います。
7章23節(上記冒頭)には、「イスラエルの地」の「この国」と「この町」について書かれていると思われます。
7章2節(上記)2行目に、「・・・この国の四隅にまで終わりが来た。」とあります。
この場合の「この国」というのは、「イスラエルの地」の国のこと、あるいは、「イスラエルの国」のこと、ではないかと思われます。
7章23節(上記冒頭)1行目の、「・・・この国・・・」というのは、7章2節(上記)2行目の「・・・この国・・・」のことではないかと思われます。
「この国」については、今述べたように言うことができると思います。
一方、「この町」はどうでしょうか。
「この町」については、7章を読む限り、それが何を指しているのか、明確には分かりません。
15節に、「・・・町にいる者・・・」という言葉があります。「町にいる者はききんと疫病に滅ぼし尽くされる」、とあるように、この「町」について、『疫病』のことが書かれています。
エゼキエル書7章15節は、次のようになっています。
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15節
外には剣、内には疫病とききんがあり、野にいる者は剣に死に、町にいる者はききんと疫病に滅ぼし尽くされる。
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『疫病』は、おそらくですが、「エルサレム」においてある、すなわち、エルサレムという町の「中」もしくは「内」においてある、のではないかと思われます。
「外には剣」(15節)とあるので、剣を持つ者は、基本的には『疫病』に襲われず、町から逃げて来た者を剣で打つ、と思われるからです。
さらに言いますと、4章と5章で、「エルサレム」のことが語られています。
また、6章で、「イスラエルの山々」のことが語られています。
7章では、その両者、すなわち、「エルサレム」と「イスラエルの山々」が、「イスラエルの地」(2節、上記)でのこととして語られているのではないか、と思われます。
仮にそう考えると、23節(上記冒頭)の「この町」というのは、「エルサレム」のことである、と言うことができると思います。
エレミヤ書6章7節(その6)、および20章8節(その3、その5)の記述などとも考え合わせると、エゼキエル書7章23節(上記冒頭)の「この町」は、『エルサレム』ではないかと思われます。
いかがでしょうか。