『新改訳聖書』第3版のエゼキエル書30章12節から18節までに、次のように書かれています。
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12節
わたしはナイル川を干上がった地とし、
その国を悪人どもの手に売り、
他国人の手によって、
その国とそこにあるすべての物を
荒れ果てさせる。
主であるわたしがこれを語る。
13節
神である主はこう仰せられる。
わたしは偶像を打ちこわし、
*ノフから偽りの神々を取り除く。
エジプトの国には、もう君主が立たなくなる。
わたしはエジプトの地に恐怖を与える。
* ギ「メンピス」
14節
わたしはパテロスを荒らし、
ツォアンに火をつけ、
*ノにさばきを下す。
* 「テーベ」
15節
わたしはエジプトのとりでシンに
わたしの憤りを注ぎ、
ノの群集を断ち滅ぼす。
16節
わたしはエジプトに火をつける。
シンは大いに苦しみ、
ノは砕かれ、
*ノフは昼間、敵に襲われる。
* ギ「メンピス」
17節
*オンとピ・ベセテの若い男たちは剣に倒れ、
女たちはとりこになって行(い)く。
* ヘ「アベン」
18節
わたしがエジプトのくびきを砕き、
その力強い誇りが絶やされるとき、
*タフパヌヘスでは日は暗くなり、
雲がそこをおおい、
その娘たちはとりことなって行(い)く。
* ヘ「テハフネヘス」
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この12節から18節までの引用は、「その8」で引用したエゼキエル書30章10節と11節に続くものです。
その10節と11節には、「バビロンの王ネブカデレザル」によって「エジプトの富」が取り除かれること、また、「バビロンの王ネブカデレザル」と「彼の民」が「その地(すなわち、エジプトの地)を滅ぼすために遣わされるということ、そして「彼らは剣を抜いてエジプトを攻め、その地を刺し殺された者で満たす」、ということが書かれています。
30章12節から18節までには、エジプトが滅ぼされるときの状況が書かれているのではないかと思われます。
同章13節(上記)には、2行目から、「わたしは偶像を打ちこわし、ノフ(すなわち、メンピス)から偽りの神々を取り除く。・・・」とあります。
また、15節(上記)には、「わたしは・・・ノ(すなわち、テーベ)の群集を断ち滅ぼす。」とあります。
さらに、16節(上記)には、3行目から、「ノ(すなわち、テーベ)は砕かれ、ノフ(すなわち、メンピス)は昼間、敵に襲われる。」とあります。
「メンピス」や「テーベ」はエジプトの領土『内』にあります。
「テーベ」はエジプトの領土『内』「深く」にある、と言えるのではないでしょうか。
両者とも、国境(くにざかい)の近くではない、と言うことはできます。
バビロンの王ネブカド『ネ』ザルは、「メンピス」や「テーベ」にまで侵入して、13節と15節と16節に書かれているようなことをした、と言えるでしょうか。
言えないと思います。
なぜなら、「エジプトのファラオ、アマシス」は、バビロンの王ネブカドネザルがエジプトに対して戦争を行なったとき、「進軍してエジプトの領土『外』に軍を展開した」からです。「その8」前半の『ウィキペディア(Wikipedia)』の「ネブカドネザル2世」からの引用をご参照ください。
上で引用した、エゼキエル書30章12節から18節までに書かれていることは、バビロンの王ネブカド『ネ』ザルの時代のことではなく、バビロンの王ネブカデ『レ』ザルの時代のことである、と言うことができると思います。
いかがでしょうか。どのように思われますか。