「エジプト」について その2

新改訳聖書』第3版の列王記 第二24章6節と7節に、次のように書かれています。
***
6節
エホヤキムは彼の先祖たちとともに眠り、その子エホヤキンが代わって王となった。
7節
エジプトの王は自分の国から再び出て来ることがなかった。バビロンの王が、エジプト川からユーフラテス川に至るまで、エジプトの王に属していた全領土を占領していたからである。
***

 

7節1行目に、「エジプトの王は自分の国から再び出て来ることがなかった。」とあります。

 

これは、ユダの王が「エホヤキム」から「エホヤキン」に代わるころのことです。

 

エホヤキンの治世は、列王記 第二24章8節の記述より、「三か月間」であった、ということが分かります。エホヤキンは、「三か月間」王であり、そののちバビロンへ引いて行(ゆ)かれます。列王記 第二24章15節等をご参照ください。

 

そのあとは、ゼデキヤの治世になります。

 

バビロンの王はエホヤキンを連れてバビロンへ帰った、と言うことができると思います。そうすると、ゼデキヤの治世の第一年から第九年の当該日、すなわち「第十の月の十日」(Ⅱ列25:1)まで、バビロンの王はユダの地等にはいなかった、ということになります。

 

つまり、その間は、『ユダ』を占領していなかった、ということです。「その間」については、「エジプトの王は自分の国から再び出て来る」ことはできる、と言うことができると思います。

 

しかし、エレミヤ書37章5節(その1、前半)には、「パロの軍勢がエジプトから出て来たので、『エルサレムを包囲中』のカルデヤ人は、そのうわさを聞いて、エルサレムから退却したときであった・・・」とあります。『エルサレムを包囲中』に「パロの軍勢がエジプトから出て来た」、と書かれています。

 

カルデヤ人が『エルサレムを包囲中』のときは、『ユダ』にも、カルデヤ人の軍隊は展開していたのではないか、と想像されます。そうすると、パロの軍勢がエジプトから出て来ることはなかった、のではないかと考えられるのです。

 

エレミヤ書37章5節等に書かれていることは、列王記のユダの王ゼデキヤの時代のことではない、のではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。

 

どのように思われますか。