「とりこ」について その2

エゼキエル書12章11節(その1、前半)2行目からの、「・・・彼らはとりことなって引いて行(い)かれる・・・」というのは、いつのことでしょうか。

 

新改訳聖書』第3版のエゼキエル書12章12節に、次のように書かれています。
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12章12節
彼らのうちにいる君主は、暗いうちに荷物を背負って出て行(い)く。出て行(い)けるように壁に穴があけられる。彼は顔をおおうであろう。彼は自分の目でその地をもう見ないからである。』
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もしこの12節の記述が、列王記の時代、ユダの王ゼデキヤの第十一年のことだとすると、「彼らのうちにいる君主」というのは、「ユダの王ゼデキヤ」のこと、となります。「彼ら」というのは、10節の「・・・そこ(すなわち、エルサレム)にいるイスラエルの全家・・・」のこと、と考えられます。

 

そうすると、「彼らのうちにいる君主」は、「エルサレムにいイスラエルの全家のうちにいる君主」となります。もしこの12節の記述が、列王記の時代、ユダの王ゼデキヤの第十一年のことだとすると、その君主は、「ユダの王ゼデキヤ」になります。

 

12節には、「彼らのうちにいる君主は、暗いうちに荷物を背負って出て行(い)く。・・・」とあります。列王記の時代の当時、ユダの王ゼデキヤが「荷物を背負って出て行(い)」ったかどうかについては、列王記に、おそらく書かれていないので、分からないと思います。

 

「暗いうちに・・・出て行(い)く」については、例えば、列王記 第二25章4節に、次のように書かれています。
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25章4節
そのとき、町が破られ、戦士たちはみな夜のうちに、王の園のほとりにある二重の城壁の間の門の道から*町を出た。カルデヤ人が町を包囲していたので、王はアラバへの道を行(い)った。

 

* 「町を出た」はエレ五二・七による補足

 

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1行目から、「・・・戦士たちはみな夜のうちに、・・・町を出た。・・・」とあります。これは、「戦士たち」について言われていることですが、おそらく「王」も、「夜のうちに出た」のではないかと想像されます。

 

「夜のうちに出た」のだとすると、「暗いうちに・・・出て行(い)」(エゼ12:12)った、と言うことができます。

 

しかし、「荷物を背負って出て行(い)」(エゼ12:12)ったのかどうか、は分かりません。

 

12節には続いて、「・・・出て行(い)けるように壁に穴があけられる。・・・」とあります。これについても、当時、ユダの王ゼデキヤが「壁に穴」をあけたかどうかは分かりません。

 

12節には続いて、「・・・彼は顔をおおうであろう。彼は自分の目でその地をもう見ないからである。・・・」とあります。

 

その3、に続きます。