「奉納地」について その8

新改訳聖書』第3版のエゼキエル書45章1節に、次のように書かれています。
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1節
あなたがたがその地を相続地として、くじで分けるとき、その地の聖なる区域を奉納地としてにささげなければならない。その長さは二万五千キュビト、幅は*一万キュビト。その周囲の全域は聖なる地である。

 

* 七十人訳は「二万キュビト」

 

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下から2行目に、「・・・幅は*一万キュビト。」とあります。「一万キュビト」に脚注があり、『七十人訳は「二万キュビト」』となっています。

 

1行目から、「あなたがたがその地を相続地として、くじで分けるとき、その地の聖なる区域を奉納地として『ささげなければならない』。・・・」とあります。

 

また、エゼキエル書48章9節には、次のように書かれています。
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9節
あなたがたがにささげる奉納地は、長さ二万五千キュビト、幅二万キュビトである。
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45章1節の、「奉納地として『にささげなければならない』」「その地の聖なる区域」というのは、48章9節の、「あなたがたが『にささげる』奉納地」のことだと思われるのですが、いかがでしょうか。

 

もしそうだとすると、48章9節の、「あなたがたが『にささげる』奉納地」は「幅二万キュビトである」、という記述から、45章1節の、「奉納地として『にささげなければならない』」聖なる区域の幅は、『二万キュビト』になります。

 

つまり、「奉納地として『にささげなければならない』」「その地の聖なる区域」(45章1節、上記冒頭)の幅は、『一万キュビト』ではなく、『二万キュビト』であり、脚注にある七十人訳の『二万キュビト』になる、ということです。

 

45章1節の、「奉納地として『にささげなければならない』」聖なる区域というのは、48章10節の、幅『一万キュビト』の「祭司たちへの聖なる奉納地・・・」のことではないか、とも思われるのですが、この「祭司たちへの聖なる奉納地」については、48章12節に、「彼らの地域は・・・奉納地のうちでも『最も』聖なる地である。」とあります。

 

『最も』聖なる地とあるのですから、そうではない聖なる地がある、ということになります。

 

それは、「レビの部族の地域」(48章12節)、または「レビの部族の分」(同章13節)ではないでしょうか。

 

また、エゼキエル書48章35節に、「・・・この町の名は、はここにおられる』と呼ばれる・・・」、と書かれていることからすると、「この町」も『聖なる地』の一つと考えられます。

 

つまり、①「祭司たちへの聖なる奉納地」(48章10節)も、②「レビの部族の地域」(同章12節)または「レビの部族の分」(同13節)も、③「この町」(同35節)も、『聖なる地』であり、その中で『最も』聖なる地であるのが、「祭司たちへの聖なる奉納地」ではないか、と考えられるのです。

 

そしてこの三つのうち、①と②が「奉納地として『にささげなければならない』」(45章1節、上記冒頭)聖なる区域であり、「あなたがたが『にささげる』奉納地」(48章9節)ではないか、と思われるのです。

 

①と②の幅は、それぞれ『一万キュビト』であり、合わせて『二万キュビト』になります。エゼキエル書48章10節と13節をご参照ください。

 

エゼキエル書45章1節の、「奉納地として『にささげなければならない』」聖なる区域の幅は、『一万キュビト』ではなく、七十人訳の『二万キュビト』になると思いますが、いかがでしょうか。

 

どのように思われますか。