エレミヤ書50章について その3

新改訳聖書』第3版のエレミヤ書51章62節(その2冒頭)に、次のように書かれています。
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62節
よ。あなたはこの所について、これを滅ぼし、人間から獣に至るまで住むものがないようにし、永遠に荒れ果てさせる、と語られました』と言い、
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1行目から、「・・・あなたはこの所について、これを滅ぼし、人間から獣に至るまで住むものがないようにし、・・・」とあります。

 

「その2」で見たように、1149965208さんは、エレミヤ書50章と51章は、「全体的に『メディア・ペルシャ帝国がバビロニア帝国を滅ぼす』こと・・・について」の預言であると理解されています。2024/1/15 19:20の1149965208さんのご回答の、第4段落(その2後半)をご参照ください。

 

その第4段落の3行目から、「・・・全体的にメディア・ペルシャ帝国がバビロニア帝国を滅ぼすこと『(51:11)』について預言していました。・・・」とあります。

 

エレミヤ書51章11節が挙げられています。

 

新改訳聖書』第3版のエレミヤ書51章11節は、次のようになっています。
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11節
  矢をとぎ、丸い小盾を取れ。
  はメディヤ人の王たちの霊を
  奮い立たせられた。
  主の御思いは、バビロンを滅ぼすこと。
  それはの復讐、その宮のための復讐である。
***

 

この節を見ると、『メディア・ペルシャ帝国がバビロニア帝国を滅ぼす』ことについての預言である、と読むことができるかのように見えます。

 

しかし2行目から、「はメディヤ人の王『たち』の霊を奮い立たせられた。・・・」とあります。

 

もしこの11節が、『メディア・ペルシャ帝国がバビロニア国を滅ぼす』ことについての預言であるとすると、そのときのメディヤ人の王は『ダリヨス』である、と言うことができると思います。ダニエル書5章31節をご参照ください。

 

もしそうだとすると、「はメディヤ人の『王』・・・の霊を奮い立たせられた」ということになり、「メディヤ人の『王たち』の霊を奮い立たせられた」ということにはならない、と言うことができます。

 

「メディヤ人の王たち」というのを、「メディア・ペルシャ国」の『王たち』と考えて、『ダリヨス』と『クロス』のことと考えることはできるだろうか、ということになります。

 

聖書では、『クロス』をエズラ記1章1節では「ペルシアの王」と言い、ダニエル書6章28節では「ペルシア人」と言っています。

 

一般財団法人日本聖書協会の聖書本文検索で、「キュロス」を検索した結果、キュロスが「メディヤ人の王」として記述されている箇所はありませんでした。

 

ペルシア人キュロス」「ペルシアの王キュロス」「バビロンの王キュロス」とあります。

 

「メディヤ人の王キュロス」というのはありませんでした。

 

クロス(新共同訳ではキュロス)はメディヤ人との関係があったとしても、『王』としては『ペルシャ人』である、と言うことができると思います。

 

ですから、『クロス』を、エレミヤ書51章11節の「メディヤ人の『王たち』」の中に含めてよいのかは疑問です。

 

わたしとしては、含めることはできないと思います。

 

詩篇12篇6節に、「のみことばは混じりけのないことば。土の炉で七回もためされて、純化された銀。」とあるように、「のみことば」は何度もためされた上でのことばである、と言うことができます。

 

のみことばは、何度もためされた上で用いられたことばです。

 

神が、『クロス』のことを、メディヤ人の王ではなく、『ペルシアの王』(エズラ1:1など)として聖書に記されたのも、「七回もためされ」た上で用いられたことばであると思います。

 

ですから、『クロス』を「メディヤ人の『王たち』」(エレミヤ51:11)の中に含めるのはどうかと思います。

 

いかがでしょうか。

 

その4、に続きます。