「律法学者」について その2

新改訳聖書』第3版のマルコの福音書7章8節と9節(いずれも、その1冒頭)に、次のように書かれています。
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8節
あなたがたは、神の戒めを捨てて、人間の言い伝えを堅く守っている。」
9節
また言われた。「あなたがたは、自分たちの言い伝えを守るために、よくも神の戒めをないがしろにしたものです。
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8節と9節に書かれていることを「言われた」のは、「イエスです。7章6節(その1冒頭)をご参照ください。

 

「あなたがた」というのは、「パリサイ人と律法学者たち」(5節、その1冒頭)のことです。

 

7章5節(その1冒頭)に、『パリサイ人と律法学者たちは、エスに尋ねた。「なぜ、あなたの弟子たちは、昔の人たちの言い伝えに従って歩まないで、汚(けが)れた手でパンを食べるのですか。」』とあります。

 

このように尋ねられたことに対して、6節以降で、イエスが答えられました。

 

6節と7節で、イザヤのことばを言われたあと、8節で、「あなたがたは、『神の戒め』を捨てて、『人間の言い伝え』を堅く守っている。」と言われ、9節で、「・・・あなたがたは、『自分たちの言い伝え』を守るために、よくも『神の戒め』をないがしろにしたものです。」と言われています。

 

「手をよく洗わないでは食事をせず」(3節、その1冒頭)、すなわち、「汚(けが)れた手でパンを食べ」(5節、その1冒頭)ない、というのが『人間の言い伝え』(8節、上記冒頭)です。

 

上記冒頭8節と9節で、「『神の戒め』を捨てて」、「『神の戒め』をないがしろにした」、ということが言われています。

 

1節から9節まで(その1冒頭)のうち、8節と9節に、『神の戒め』という言葉はありますが、どのような『神の戒め』なのかについては書かれていません。

 

それは、マルコの福音書7章10節に書かれています。

 

マルコの福音書7章10節は、次のようになっています。
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10節
モーセは、『あなたの父と母を敬え』、また『父や母をののしる者は死刑に処せられる』と言っています。
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『あなたの父と母を敬え』と『父や母をののしる者は死刑に処せられる』、が『神の戒め』です。

 

『あなたの父と母を敬え』は、出エジプト記20章12節などにあります。

 

また、『父や母をののしる者は死刑に処せられる』は、出エジプト記21章17節などにあります。

 

つまり、それらは『律法』です。

 

その3、に続きます。