「この世を支配する者」について その3

新改訳聖書』第3版のルカの福音書22章1節から6節までに、次のように書かれています。
***
1節
さて、過越(すぎこし)の祭りといわれる、種なしパンの祝いが近づいていた。
2節
祭司長、律法学者たちは、イエスを殺すための良い方法を捜していた。というのは、彼らは民衆を恐れていたからである。
3節
さて、十二弟子のひとりで、イスカリオテと呼ばれるユダに、サタンが入った。
4節
ユダは出かけて行って、祭司長たちや宮の守衛長たちと、どのようにしてイエスを彼らに引き渡そうかと相談した。
5節
彼らは喜んで、ユダに金をやる約束をした。
6節
ユダは承知した。そして群衆の*いないときにイエスを彼らに引き渡そうと機会をねらっていた。

 

* あるいは「騒ぎを起こさないで」

 

***

 

4節から6節までに書かれていることは、マタイの福音書26章14節から16節まで(その2中ほど)に書かれていることと、よく似ています。

 

マタイの福音書26章14節から16節まで(その2中ほど)は、次のようになっています。
***
14節
そのとき、十二弟子のひとりで、イスカリオテ・ユダという者が、祭司長たちのところへ行って、
15節
こう言った。「彼をあなたがたに*売るとしたら、いったいいくらくれますか。」すると、彼らは**銀貨三十枚を彼に支払った。

 

* あるいは「売り渡したいのだが」
** すなわち「シケル銀貨」

 

16節
そのときから、彼はイエスを引き渡す機会をねらっていた。
***

 

14節に、「・・・十二弟子のひとりで、イスカリオテ・ユダという者が、祭司長たちのところへ行って、」とあります。

 

これは、ルカの福音書22章4節(上記冒頭)の、「ユダは出かけて行って、・・・」に当たる、と言うことができると思います。

 

「ユダは出かけて行って、祭司長たちや宮の守衛長たちと・・・相談した」(ルカ22:4)とあるので、ユダは祭司長たちのところへ出かけて行った、と言うことができます。

 

また、15節に、『・・・「彼をあなたがたに*売るとしたら(あるいは、売り渡したいのだが)、いったいいくらくれますか。」すると、彼らは**銀貨(すなわち、シケル銀貨)三十枚を彼に支払った。』とあります。

 

これは、ルカの福音書22章5節(上記冒頭)の、「彼らは喜んで、ユダに金をやる約束をした。」に当たり、「ユダに金をやる約束をし」て、「銀貨三十枚を彼に支払った」、と考えることができます。

 

また、16節に、「そのときから、彼はイエスを引き渡す機会をねらっていた。」とあります。

 

これは、ルカの福音書22章6節(上記冒頭)の、「ユダは・・・エスを彼らに引き渡そうと機会をねらっていた。」に当たる、と言うことができると思います。

 

以上のことから、ルカの福音書22章4節から6節まで(上記冒頭)に書かれていることは、マタイの福音書26章14節から16節まで(上記、及びその2中ほど)に書かれていることと、同じときのことであると思われます。

 

その4、に続きます。