『新改訳聖書』第3版のマタイの福音書26章64節(その5冒頭)で、イエスは大祭司に、「・・・あなたの言うとおりです・・・」と言われました。
「あなたの言うとおりです」と言われることによって、イエスはご自分が「神の子キリスト」であることを、お認めになった、と言うことができると思います。
この場合イエスが、「神の子キリスト」であることをお認めになったのは、『偽証』した、ということでしょうか。
イエスは、ご自分が「神の子キリスト」ではないのに、「あなたの言うとおりです」と言われ、『偽証』したのでしょうか。
大祭司は、イエスが「あなたの言うとおりです」と言われたことに対して、「神への冒瀆だ」、と言いました。
大祭司は、イエスが「神の子キリスト」ではないと思ったから、「神への冒瀆だ」と言った、と考えられます。
つまり、大祭司の発言からすると、イエスは『偽証』した、ということになるのです。
イエスは『偽証』したのでしょうか。
「その6」で見たように、『イエス』または『キリスト』は、罪を犯されなかった、ということが聖書では言われています。
もしイエスが『偽証』したとすると、イエスは罪を犯した、ということになります。
例えば、申命記5章20節に、「あなたの隣人(となりびと)に対し、偽証してはならない」、という戒めがあります。モーセの律法です。
『偽証』した、なら、それは律法に違反した、ということです。
律法に違反したなら、罪を犯した、ということになります。
しかし聖書では、イエスは罪を犯されなかった、と言われているのです。「その6」をご参照ください。
聖書によると、イエスは『偽証』されていない、ということになります。
ペテロの手紙 第一2章22節(その6冒頭)に、次のように書かれています。
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22節
キリストは罪を犯したことがなく、その口に何の偽りも見いだされませんでした。
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1行目から、「キリストは・・・その口に何の偽りも見いだされませんでした。」とあります。
つまり、イエスは本当に「神の子キリスト」であり、『真実』を言われた、ということです。
『真実』を言われたのであれば、「神を冒瀆した」ということにはならないと思います。
逆に、「神の子キリスト」ではないのに、「あなたの言うとおりです」と言われたのだとすると、「神を冒瀆した」ということになると思います。
いかがでしょうか。
その8、に続きます。