「大水」について その8

新改訳聖書』第3版の詩篇69篇7節から9節までに、次のように書かれています。
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7節
私は、あなたのためにそしりを負い、
侮辱が私の顔をおおっていますから。
8節
私は自分の兄弟からは、のけ者にされ、
私の母の子らにはよそ者となりました。
9節
それは、あなたの家を思う熱心が私を食い尽くし、
あなたをそしる人々のそしりが、
私に降りかかったからです。
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7節に、「私は、あなたのためにそしりを負い、侮辱が私の顔をおおっています・・・」とあります。

 

詩篇69篇では、この7節に初めて、「そしり」と「侮辱」という言葉が出て来ます。

 

そして「そしり」は、7節のほかに、9節と10節と19節と20節にも出て来ます。

 

また「侮辱」は、19節にも出て来ます。

 

9節に続いて10節に、「私へのそしり」のことが、11節には、「彼らの物笑いの種」のことが、また12節には、「酔いどれの歌」のことが書かれています。

 

そして、「その7」で引用した14節と15節に続いて、詩篇69篇16節と17節に、次のように書かれています。
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16節
よ。私に答えてください。
あなたの恵みはまことに深いのです。
あなたの豊かなあわれみにしたがって
私に御顔を向けてください。
17節
あなたのしもべに御顔を隠さないでください。
私は苦しんでいます。早く私に答えてください。
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16節1行目に、「よ。私に答えてください。」とあり、17節2行目に、「・・・早く私に答えてください。」とあります。

 

詩篇69篇13節には、次のように書かれています。
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13節
しかしよ。この私は、あなたに祈ります。
神よ。みこころの時に。
あなたの豊かな恵みにより、
御(み)救いのまことをもって、私に答えてください。
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最後の行に、「御(み)救いのまことをもって、私に答えてください。」とあります。

 

直後の14節(その7前半)に、「私を泥沼から『救い出し』、私が沈まないようにしてください。私を憎む者ども、また大水の底から、私が『救い出される』ようにしてください。」とあります。

 

つまり、13節最後の行の、「『御(み)救い』のまことをもって、私に答えてください」というのは、14節の記述からすると、「私を・・・『救い出し』」、私が『救い出される』ようにしてください」、のことと考えられます。

 

それはまた、69篇1節(その5中ほど)の、「神よ。私を『救って』ください。」、のことと考えることができるのではないでしょうか。

 

詩篇69篇13節(上記)、および同篇16節と17節(上記)の「私に答えてください」というのは、「私を救ってください」、のことであると思われます。

 

17節(上記)2行目に、「私は苦しんでいます。・・・」とあります。

 

「私」は苦しんでいる、ということが分かります。

 

苦しんでいるので、「私を救ってください」という流れになると思います。

 

では、「私」は、なぜ苦しんでいると考えられるでしょうか。

 

その9、に続きます。