「エホヤキム」について その10

新改訳聖書』第3版の申命記31章16節(その9、冒頭)1行目から、「・・・あなた(すなわち、モーセ)は間もなく、あなたの先祖たちとともに眠ろうとしている。・・・」とあります。

 

モーセは、「エリコに向かい合わせのピスガの頂」(申命記4章1節、その9後半)で死んで、「ベテ・ぺオルの近くのモアブの地の谷に葬られ」(申命記34章6節、その9中ほど)た、と言うことができると思います。「その9」をご参照ください。

 

つまり、モーセは、「ベテ・ぺオルの近くのモアブの地の谷」で『眠った』、と言うことができるのではないでしょうか。

 

この場合モーセは、「あなた(すなわち、モーセ)の先祖たち」の墓に入ったのではない、と言うことができると思います。

 

ヤコブの十二人の息子たち、のうちの一人であるレビは、モーセの「先祖」、と言うことができると思います。ヤコブも「先祖」です。

 

モーセまでのレビの系図は、レビの子ケハテ、ケハテの子アムラム、アムラムの子モーセとなります。出エジプト記6章16節から20節までをご参照ください。

 

彼らのうち、「ベテ・ぺオルの近くのモアブの地の谷」で『眠った』のは、モーセだけである、と言うことができると思います。

 

レビやケハテが、その谷に葬られたとは思えないからです。

 

つまり、「先祖たちとともに眠る」というのは、必ずしも『先祖たちと同じ墓に入る』ことであるとは限らない、ということです。

 

わたしは以前、「エホヤキム」について その3(2022-03-05)、の下から3段落目で、次のように述べました。

 

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「彼の先祖たちとともに眠・・・った」(Ⅱ列24:6、その1冒頭)と言う場合、エホヤキムは「彼の先祖たちの墓に入れられた」ということであると思われるのですが、彼の先祖たちの墓に入れられたとは、とうてい考えられません。
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このときには、「彼の先祖たちとともに眠った」というのは、「彼の先祖たちの墓に入れられた」ということではないか、と考えていました。

 

しかし、申命記31章16節(その9、冒頭)の記述、および同34章5節と6節(その9、中ほど)の記述からすると、「先祖たちとともに眠った」というのは、必ずしも「先祖たちの墓に入れられた」ということであるとは限らない、ということになります。

 

その11、に続きます。