「エホヤキム」について その2

新改訳聖書』第3版の歴代誌 第二36章6節から8節までに、次のように書かれています。
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6節
この彼のもとに、バビロンの王ネブカデネザルが攻め上(のぼ)って来て、彼を青銅の足かせにつなぎ、バビロンへ引いて行った。
7節
ネブカデネザルは、の宮の器具をバビロンに持ち去り、バビロンにある彼の宮殿に置いた。
8節
エホヤキムのその他の業績、彼の行(おこな)った忌みきらうべきしわざ、彼について露見(ろけん)したことは、イスラエルとユダの王たちの書にまさしくしるされている。彼の子エホヤキンが代わって王となった。
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8節3行目から、「・・・彼の子エホヤキンが代わって王となった。」とあります。

 

このことは、6節で、バビロンの王ネブカデネザルがエホヤキムをバビロンへ引いて行ったということが書かれた後(あと)に、書かれています。

 

また、これらの節には、「エホヤキムは彼の先祖たちとともに眠」(Ⅱ列24:6、その1冒頭)った、ということは書かれていません。

 

6節から8節までの文脈からすると、エホヤキンが代わって王となった(8節)のは、エホヤキムがバビロンへ引いて行かれた『あと』のことと考えられます。

 

エホヤキムがバビロンに引いて行かれたために、ユダとエルサレムには、王がいなくなったので、エホヤキンが代わって王となった(8節)、という文脈になると思います。

 

列王記 第二24章6節を読む限り、「エホヤキムは彼の先祖たちとともに眠」ったので、「その子エホヤキンが代わって王となった」、と読むことができると思います。

 

しかし、歴代誌 第二36章6節から8節までの記述と照らし合わせると、「エホヤキム(は)が彼の先祖たちとともに眠」ったのは、「エルサレム」、もしくは「ユダ」で、ではなく、『バビロンで』、ということになると思われます。

 

「バビロンの王ネブカデネザルが攻め上(のぼ)って来て、彼(すなわち、エホヤキム)を青銅の足かせにつなぎ、バビロンへ引いて行った」(Ⅱ歴36:6、上記冒頭)からです。

 

そうすると、列王記 第二24章6節を読む限り、「エホヤキムは彼の先祖たちとともに眠」ったので、「その子エホヤキンが代わって王となった」、と読むことができるのですが、歴代誌 第二36章6節から8節までの記述と照らし合わせると、エホヤキムは「エルサレム」もしくは「ユダ」で「彼の先祖たちとともに眠った」のではなく、『バビロンで』「彼の先祖たちとともに眠った」、ということになります。

 

この考え方には、『バビロンで』「彼の先祖たちとともに眠った」、という点に難点があると思います。

 

「彼の先祖たち」が『バビロンで』眠っていた、あるいは、眠ったということはあり得るのでしょうか。

 

何かうまい説明は考えられるでしょうか。

 

列王記 第二24章6節(その1、冒頭)を読むと、「エホヤキム(は)が彼の先祖たちとともに眠」ったので、すなわち、死んだので、その子エホヤキンが代わって王となった、というように読むことができると思います。

 

しかし、歴代誌 第二36章6節から8節までの記述と照らし合わせると、そうではないのではないか、ということになります。

 

どのように思われるでしょうか。