「よみ」について その7の1

新改訳聖書』第3版のエゼキエル書32章28節に、次のように書かれています。
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32章28節
あなたは、割礼を受けていない者たちの間で砕かれ、剣で刺し殺された者たちとともに横たわる。
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「あなた」というのは、18節の「・・・エジプトの群集・・・」のことと思われます。

 

エゼキエル書32章18節と19節に、次のように書かれています。
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18節
  「人の子よ。エジプトの群集のために嘆け。
  その民と強国の民の娘たちとを、
  穴に下る者たちとともに地下の国に下らせよ。
19節
  『あなたはだれよりもすぐれているのか。
  下って行(い)って、
  割礼を受けていない者たちとともに横たわれ。』
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「人の子・・・」というのは、この場合、「エゼキエル」のことと考えられます。

 

「人の子よ。」と呼びかけて、「あなた」と言う場合、「あなた」は「人の子」を指すと考えられます。

 

では、19節の「あなた」は、「人の子」すなわち「エゼキエル」を指しているのでしょうか。

 

18節では、「人の子よ。エジプトの群集のために
嘆け。・・・」と言われています。

 

つまり、は、エゼキエルに、エジプトの群集のために嘆け、と言われているのです。

 

なぜ嘆くのか、と言うと、「その民と強国の民の娘たち」が、「穴に下る者たちとともに地下の国に下」(18節)るから、ではないか、と思われます。

 

つまり、エゼキエルが、「下って行(い)って、割礼を受けていない者たちとともに横たわ」(19節)るのではない、ということです。

 

エゼキエルが下って行(い)って横たわるとすると、なぜエゼキエルはエジプトの群集のために嘆くのかが、理解できないと思います。

 

32節に、「・・・パロとその群集は、割礼を受けていない者たちの間で、剣で刺し殺された者たちとともに横たわる。・・・」とあることからしても、横たわるのは、エゼキエルではなく、「パロとその群集」である、と言うことができると思います。

 

以上述べたことから、19節の「あなた」というのは、エゼキエルのことではなく、「エジプトの群集」のこと、と考えたほうがよいと思います。

 

そして、28節の「あなた」というのは、19節の「あなた」と同じで、「エジプトの群集」のことと考えたほうがよいと思います。

 

このように、28節の「あなた」というのは、「エゼキエル」のことではなく、「エジプトの群集」のことと考えられます。

 

その7の2、に続きます。