「相続」について その2

新改訳聖書』第3版のへブル人への手紙11章8節に、次のように書かれています。
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11章8節
信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行(い)けとの召しを受けたとき、これに従い、どこに行(い)くのかを知らないで、出て行(い)きました。
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1行目に、「・・・相続財産として受け取るべき地」とあります。使徒の働き7章5節の「・・・彼(すなわち、アブラハムに対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。」という記述から、「相続財産として受け取るべき地」というのは、「この地」(使徒7:5)のこと、すなわち「カナンの地」のこと、と考えられます。

 

8節に続いて、9節に、次のように書かれています。
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11章9節
信仰によって、彼は約束された地に他国人のようにして住み、同じ約束をともに相続するイサクやヤコブとともに天幕生活をしました。
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1行目に、「・・・約束された地・・・」とあります。これも、使徒の働き7章5節の「・・・彼(すなわち、アブラハム)に対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。」という記述の「この地」のこと、と考えられます。

 

「・・・彼は約束された地に他国人のようにして住み・・・ました。」とあります。使徒の働き7章5節にあるように、神はアブラハムにカナンの地を相続財産としてお与えにならなかったので、アブラハムは自分の地に住むように住んだのではなく、「他国人のようにして住」んだのではないか、と思われますが、いかがでしょうか。

 

これまで見て来たように、使徒の働きにも、へブル人への手紙にも、「相続財産」という言葉があります。これまで見て来たことから、この「相続財産」というのは、「カナンの地」のことと考えられます。

 

「相続財産として受け取るべき地」(へブ11:8)が「カナンの地」であるとするなら、アブラハムは「カナンの地」を相続する、ということになります。これは、アブラハムは「カナンの地」の相続人になる、と言い換えることができると思います。

 

「相続」なのですが、これは、アブラハムが父であるテラから相続するというのではなく、父である『神から』相続するということだと思います。

 

いかがでしょうか。どのように思われますか。