「四百三十年」について その11

「残りの108年」を、ケハテが82歳であったときから数えると、ケハテが133歳のときにアムラムを生んだと考えた場合、133-82=51で、51年分の説明はつきますが、残りの57年(108-51=57)の説明がつきません。

 

仮定を極端にした場合、つまり、ケハテは0歳のときエジプトに来たとし、133歳でアムラムを生み、アムラムは137歳モーセを生んだとしても、「残りの108年」を説明することはできませんでした。

 

そこで、再度、改めて考えることにしました。

 

再度考えているうちに、気づいたことがあります。「その7」で、ヤコブがエジプトに来たのを「ききんの1年目」と仮定しましたが、『新改訳聖書』第3版の創世記45章6節に、次のように書かれています。
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45章6節
この二年の間、国中にききんがあったが、まだあと五年は耕すことも刈り入れることもないでしょう。
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これは、ヨセフが兄弟たちに語っている言葉です。このとき、ヤコブはカナンの地にいて、まだエジプトには来ていません。つまり、ききんの2年間は、カナンの地にいた、ということです。そこで、3年目にエジプトに来たとします。そうすると、ヨセフはこのとき40歳(30歳+7年の豊作+ききんの3年目=40)だったということになるのですが、ここでも気づいたことがあります。

 

ヤコブが130歳でエジプトに来たとき、ヨセフが40歳だったということになると、二人の年の差は、130-40=90で、90歳となります。この90歳という年の差は、ヤコブ60歳でパダン・アラムを出たとき、ヨセフはもう生まれていた、ということとつじつまが合いません。二人の年の差が90歳になることはありません。二人の年の差は、大きくても、60歳です。ヨセフが0歳のとき二人の年の差は60歳で、ヨセフが1歳のとき59歳です。

 

そこで、二人の年の差を仮に60歳とします。そうすると、ヤコブが130歳でエジプトに来たとき、ヨセフは、130-60=70で、70歳だったことになります。

 

また、ケハテは0歳だったとします。

 

そうすると、ヨセフが110歳で死んだとき、ケハテは、110-70=40で、40歳になります。ヨセフが死ぬまでケハテがエジプトにいた期間は、40年ということになります。これは、「イスラエルの子ら」がヨセフが死ぬまでエジプトにいた期間でもあります。

 

その12、に続きます。