『新改訳聖書』第3版の創世記35章9節から12節までに、次のように書かれています。
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9節
こうしてヤコブがパダン・アラムから帰って来たとき、神は再び彼に現れ、彼を祝福された。
10節
神は彼に仰せられた。
「あなたの名はヤコブであるが、
あなたの名は、もう、ヤコブと呼んではならない。
あなたの名はイスラエルでなければならない。」
それで彼は自分の名をイスラエルと呼んだ。
11節
神はまた彼に仰せられた。
「わたしは全能の神である。
生めよ。ふえよ。
一つの国民、諸国の民のつどいが、
あなたから出て、
王たちがあなたの腰から出る。
12節
わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、
あなたに与え、
あなたの後(のち)の子孫にも
その地を与えよう。」
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また、出エジプト記6章2節から5節までに、次のように書かれています。
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2節
神はモーセに告げて仰せられた。「わたしは主である。
3節
わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに、全能の神として現れたが、主という名では、わたしを彼らに知らせなかった。
4節
またわたしは、カナンの地、すなわち彼らがとどまった在住の地を彼らに与えるという契約を彼らに立てた。
5節
今わたしは、エジプトが奴隷としているイスラエル人の嘆きを聞いて、わたしの契約を思い起こした。
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4節に、「・・・わたしは、カナンの地、すなわち彼らがとどまった在住の地を彼らに与えるという契約を彼らに立てた。」とあります。「彼ら」とは、「アブラハム、イサク、ヤコブ」(3節)のことです。4節のこの言葉から、ヤコブに対しても、「カナンの地・・・を・・・与えるという契約」(4節)は立てられている、ということが分かります。
創世記35章12節の「わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、あなたに与え・・・よう。」というのは、出エジプト記6章3節と4節に書かれていることと考え合わせると、神がヤコブに対して立てた契約である、と言うことができるのではないでしょうか。
つまり、「イスラエルの子ら」が「カナンの地」にあるベテルに来て住み始めたころに、神はヤコブと契約を結んだ、と言うことができると思うのです。
その5、に続きます。